昨日、フジTVで
『天国で君に逢えたら』という番組がやってたなり。
飯島夏樹という一人の末期がんになったウインドサーファーと彼を支える家族の物語だったなりが、グッと胸に響くものを感じたなりね。
この番組を観た人もいると思うなりが、簡単に内容を説明するとこんな感じなり。プロのウィンドサーファーとして活躍中の夏樹さんは、ウィンドサーフィン仲間だった寛子さんと結婚。2人で世界中を転戦してたなりが、プロと言えども豊かな暮らしとは程遠く、辛い貧乏生活が続いたなりね。そんな中、マリンスポーツ関連会社を起業し、一気に成功を収め、
グアムで4人の子宝に恵まれた順風満帆な生活を送っていたなり。
だが2002年、夏樹さんが肝臓がんの宣告を受け、グアムでの幸せな生活は一転、
闘病生活という過酷な現実へと引きづり込まれる。
夏樹さんと寛子さん夫婦は、
絵に描いたようなさわやかカップルで、海外で挙げた結婚式ではウェディング・ドレスを着ながらウィンドサーフィンで颯爽と海を渡る写真なんかも公開されていて、その2人の笑顔が素直にカッコいいと思ったなり。
死への恐怖、病気との孤独で熾烈な闘い・・・夏樹さんは死への絶望感から重い鬱病に なったが、それを克服し、家族や仲間とともに病気に立ち向かう力を得る。そして、今では天職とも言える執筆活動を展開しているなり。心の葛藤が目標を失わせる中で、小説を書きリアルな自分を周りに表現することで、かすかな生きる目標を見出したなりね。そして
本を出版するまでに至るなり。夏樹さんの強い精神力を物語る話なり。
カメラの前では、いつも笑顔で一切の愚痴をこぼさない。男として、愛する家族に自分の衰弱していく姿を見られたくない、強いお父さんで居たいと言う気持ちはあると思うなりが、敢えて自分のすべてを家族に見てもらうことで、親として、一人の人間としての強さを見せ付けられた場面だったなり。
昔、
キン肉マンという漫画があったなり。あの頃小学生だった自分は夢中になって読んでたなりね。最後の
王座争奪戦に出てくるシーンなりが、
アタル兄さん(キン肉マンの実兄)が、現実の肉体とリンクするという超人予言書をたいまつの中に放り込まれ、予言書のページが燃え尽きるとともに、アタル兄さんの肉体も永久にこの世から消えてしまう瞬間、弟であるキン肉マンにキン肉王家三つの心得を伝授したなり。
その一 正義超人界の平和維持の道に近道はない!穏やかな道とイバラの道の二通りの道があるとすれば、イバラの道を進め!!
その二 いかなる戦争においても、自分のために戦うな!人びとのために戦え!!
三つめの心得は、正義超人から友情を除くということは、この世から太陽を除くことと同じ・・・そんな暗黒の世に超人会を絶対してはならぬ!!
見よーーっ、キン肉アタルの死に様をーーっ!!
そぅ言って、とどめを刺され、燃え尽きてしまったなり。男の生き様をまざまざと見せ付けられ、感動を覚えたキン肉マンを代表する感動的なシーンだったなり。
話は逸れてしまったなりが、自分が夏樹さんに感じたのは男として人間としての強さだったなりね。その強さを支え続ける妻の寛子さんの平穏な姿にも強さを感じずには居れらなかったなり。それと対照的な、4人の子供たちの奔放さ。だが、小さいながらも事情を把握し、人生の宿命と向き合う。
でも一番寂しいのは、
愛する家族との永遠の別れなりね。夏樹さんもカメラの前で言ってたなりが、愛する妻、4人の子供たちと逢えなくなるのが辛いと。普通、恋人と別れるだけでも辛くて食事も喉を通らなくなるのに、存在すら消滅してしまう死との向き合い。家族を愛してきた分だけ、離れるのは辛く切ないものなり。
みんなの笑顔も、好きな音楽も、思い出の場所にも、好きな人との触れ合いも喧嘩も、すべて出来なくなる。これまで当たり前のように存在してたものがなくなる。死と向き合ことは、人間としての強さが求められる瞬間のような気がするなり。
途中、2人が初めて出会ったという御前崎(静岡)に家族6人で最後の旅行をするシーンがあったなりが、サザンオールスターズの
希望の轍の切ないけど全速力に突っ走るメロディが、グッと心に迫ってきたなり。悠然と立ちはだかる海と波。大自然はいつもと変わらぬ姿で、2人を迎え入れているようだったなり。海は切ないなりね。突き抜ける海の青さと、眩いばかりの太陽が2人の笑顔とお似合いなのに変わりはないなりが、その日の海は切なさが溢れていて、大自然の無機質な強さと、今後立ち向かっていかなければならない家族の将来を暗示したようなシーンだったなり。
病名告知、ホスピス、治療方法など詳しくは解らないなりが、夏樹さんは生きて越せないと言われた2004年夏に、ハワイへの移住を決意。ターミナルケアは日本より海外の方が進んでいるらしく、
ハワイの暖かい気候のもとで自然に囲まれた生活をおくり、療養生活を過ごしているようなり。
2004年夏までの命と言われた夏樹さんは、2005年を超えた今でもハワイのホスピスで、
『今日も生かされてます』という日記を書き続けてるなり。夏樹さんと家族の生き様を観つづけながら、自分も人生ってなんなのか?を改めて問い掛けたい気持ちなり。
命ある限り、燃焼しきるまで生き様を見せ付けて欲しいなり。そして燃焼しきっても、その記憶はたくさんの人たちに残り、その精神は受け継がれていくなり。きっとそぅなりよ。